第4章 初めての実践任務
〜五条先生side〜
📞「五条先生、百葉箱空っぽです。」
『まじ?ウケるね〜夜のお散歩かな?笑』
📞「ウケません!それよりどうしたらいいんですか!」
『それ、回収するまで帰ってきちゃダメだから〜』
『無くなったとなれば上もうるさいしさぁ。しばらく1人で探してて可能なら後で助太刀行くからさー☆』
📞「え、そんな適当うな事い…!」
ブツっと強制的に電話を切る。
電話は恵から、特級呪物回収の任務に派遣されたがなんと、呪物が行方不明らしい。
(はぁーまじめんどくさいなぁ。特に上が)
『夏梨、今恵が仙台で任務頑張ってるだろ、助太刀に行くよ✌️』
ん?と可愛い顔を顰める。今思えばだいぶ表情豊かになったなと思う。あの時の夏梨はもう何もかも諦めた顔をしていた。表情なんかピクリとも変わらないし、
でも高専に来てからは、こんなふうに顔を顰めたり、少し笑ったり、恵とも仲良くやっているらしい。
夏梨は見るからに美少女だが、本人は不細工だと思っているらしい。まぁ小さい頃から瞳のせいで虐められていたんだ。無理もない。
夏梨の中の膨大な呪力、これから先厄介な事が起こりそうな予感がするが、なんとしてでもこの子を守りたいと思う。それは、一応保護者だからなのか、先生だからなのか、はたまた別の感情からかは分からない。
この子は不思議だ、とそう思う。
だが腐っても僕は先生だ、と言い聞かせて夏梨を連れて仙台に向かった。
僕が喜久福を買っているとあからさまに冷ややかな目を向けられる。
『夏梨、後でマジ説教』
「何も言ってないんですけど、」
最近の夏梨は何を考えてるのかわかるくらいすぐに顔に出るから可愛らしい。
はぁそろそろ恵の所に行ってやるか…