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【R18】共依存【黒尾鉄朗】

第6章 ビンタ、フェラ、首絞め、失神



「あの、これは…」
「おれんちの鍵。」
「3回しか会ったことない女に鍵を渡さないほうがいいのでは…?」
「いい子そうに見えたんでね」
「人は見かけによらないですよ」
「清楚な顔したわるい子だもんね」
「清楚な顔してます?」
「悪い子は否定しないのね。」
先日やりとりしたそれを繰り返して2人であははとお腹をかかえて笑う。
「彼女さんと鉢合わせたら嫌なんで返します」
「今日鍵取り替えてきたから大丈夫。合鍵1コしか作ってないから、ちゃんだけ。」
こうやって何人も女の子をたらし込んできたんだろうなぁ。狙ってやってるのか天然なのかは知らないけれど、たぶん黒尾さんの事が好きな女の子がこれをやられたらどきどきして倒れちゃうんじゃないだろうか。現に恋愛感情は持ち合わせていない私ですらちょっとときめいているのだ。自分から使う予定はないけれど私だけ特別なのかもしれないなんて、彼の気まぐれなんてことは100も承知だけど思ってしまう。
「じゃあ、預かっておきますね。」
平然を取り繕って、渡された鍵のひとつを棚にしまい直し、もうひとつをキーケースに取り付け、重みの増したような気がするそれをカバンに戻した。
「寂しくなったらおいでね」
「家どこでしたっけ」
「前来たでしょ。」
「タクシーで一回行っただけなんで覚えてないですよ」
夜は道が暗かったし、朝も黒尾さんが呼んでくれたタクシーに乗って家まで帰ったが、早朝のうつらうつらうたた寝をしながらの曖昧な記憶しかない。景色を楽しんだり、道を覚える余裕なんてなかった。なんなら最寄りの駅すらわからない。じゃあ住所送っとくね、なんて私の言えた事ではないが警戒心とか持った方がいいのではないだろうか、飄々として掴みどころのないネコみたいだと思う。
「何買ってきたのー?」
ほら、もうぜんぜん違う話をしているし、紙袋勝手に漁ってるし。
「病院でDVを疑われたのであざ隠しです。」
「ウケる。」
「ウケません!警察呼ばれたらどうしようとか、1人ですごい焦ったんですからね」
「でもこの服あればまたできるね」
「っー!」
にやにやと意地の悪い捕食者側の笑い方。
これのせいで、私の判断は正常じゃなくなっていく。
「あんまり上だとパレちゃうんで、下のほうにして下さい。」
「下の方が苦しいよ」
「知ってます。」
「はは!ほんと、サイコー。」
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