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【呪術廻戦】あなたに殺された私は呪術師として生まれ変わる

第15章 一陽来復を願う(外伝・伏黒恵視点)







「…さんッ!!」

首塚の石碑があるところまで戻ると、さんが呪霊に首を締め上げられている光景が目に入った。

「黒、行けッ!!」

さんの首を締め上げる呪霊の腕に黒が噛み付く。
そのまま喰らいつく黒を払い除けようと呪霊は大きく振りかぶった。
その勢いで呪霊の手から投げ出されたさんは地面に倒れ込み、大きく咳き込んでいる。

黒を払い除けた呪霊は尚もさんを標的にしているのか、倒れ込むさんへ向かう。
俺は迷うことなく駆け出して、さんへ向かうその足を止めさせようと呪霊の背中に突進してしがみついた。
だがすぐに呪霊の腕が伸びてきて、鷲掴みにされたと同時に強い力で引き剥がされて投げ飛ばされる。

「ぐぁ…ッ!」

すぐ近くの木の幹に打ちつけられて、全身に激痛が走る。
意識を飛ばしそうになったが、さっき呪霊に払い除けられた黒が起き上がって俺の方へ来るが見えて声を張り上げた。

「俺はいいからさんを守れ!!」

黒は俺の指示どおり再び呪霊に突進して喰らいつく。
その間に俺はズキズキと痛む体に鞭打って起き上がり、さんのもとへ駆け寄った。

「さん…!」

さんが俺の呼びかけに反応して目を開けた。
意識がまだ完全にはっきりしていないのか、視線が定まらずにふらついているようだが、それでも必死に起き上がろうとする。

「さん、大丈夫ですか?」

「だめ、逃げて…」

さんの言葉と再び感じた気配に振り向けば、呪霊が再び黒を払い除けて俺達の目の前まで来ていた。
俺は咄嗟にさんを背に庇ったが、全身の痛みで意識が朦朧としてきて、もう立っているのがやっとだった。

呪霊がその手に呪力で刀を創り出して、こちらへ向けて振りかざす。




「…やめてっ、   …!」






さんが俺の知らない名前を呼ぶ声が聞こえて、後ろから体を引っ張られたところで俺の意識は途切れた。




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