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【呪術廻戦】あなたに殺された私は呪術師として生まれ変わる

第3章 ③







「悟か。どうだ?転入生は。」

体術訓練で組み手をしている一年生達を通りがかりに見つけて、立ち止まってそのまましばらく様子を見ていると夜蛾先生に声をかけられた。



僕が三年生の秋に転入してきた一年生の女子だ。
この高専では僕の後輩にあたる訳だが、年齢は僕より一つ上で一般の高校は卒業してるらしい。
呪術とは無関係の一般人だったが、今年の夏に事故に遭い、死に際で呪力が増幅したことで一命を取り留めたのだという。
その事故で一緒だった両親は亡くなり、天涯孤独のところを術師になるのが条件で高専の庇護下に置かれたそうだ。


「今まで鍛練するような環境下になかっただけでセンスはありますよ。」

その証拠に目の前で組み手をしている二人を見ていれば、訓練を始めて一ヶ月ほどののほうが圧倒的に伊地知を押している。
生得術式を持っていないのは残念だが、反転術式を使えるほどの高度な呪力操作ができるというのだから将来有望株だ。

「本人が鍛練を怠らずに上昇志向で努力し続ければ、一級術師になるのも夢じゃない。」

「ふむ…本人も術師になる意思が強い。悟も気にかけてやってくれ。」

どうやら夜蛾先生も彼女には一目置いてるらしい。


僕達がそうこう話してるうちに二人の組み手に終わりが見えた。
はそれまで伊地知からの攻撃を綺麗に避けるか受け流していたのだが、判断を誤ったのか伊地知のパンチをギリギリ避け、それと同時に半身を翻して伊地知の腕を掴んで背負い投げる。
伊地知はなす術もなく背中から地面に打ち付けられた。

「…あっ!ごめんなさい!伊地知くん、大丈夫…?」

半べそかきながら伸びてる伊地知には慌てて声をかける。
どうやら反射的にやってしまっただけで、ここまでの反撃をするつもりはなかったらしい。
この様子だと普段から伊地知に合わせて力量を抑えているのだろう。
それはさすがに勿体なさすぎる。


「伊地知ー!動けないなら隅の方に退いてろよ。」

「はい、すみません…」

何とか起き上がってその場を離れる伊地知と入れ替わりに僕がの目の前に立つ。
不思議そうに僕を見上げる彼女はついさっき伊地知とはいえ男を背負い投げして負かしたとは思えないくらい大人しそうな顔をしている。





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