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I'll always be with you【アイナナ千】

第1章 妹というポジション




ヴヴ...


デスクの上に置いてあるスマホが震えた。
ちらっと画面を覗くと、画面には【ユキさん】の文字。


ラビチャを開くと

【今日の夜、家で待ってる】


家に行くなんて予定は立ててなかったのに、千さんの中では私が行く事が決定しているようだ。


 
はあ、まあ、いつものことである。


勝手すぎる!と思うこともあるが...

惚れた弱みで拒否する理由などもなく、仕事帰りそのまま千さんの家に車を走らせた。






合鍵を使いマンションのエントランスに入ってエレベーターに乗る。
上の階に行くまでのエレベーターの少しの時間が、いつも少しドキドキする。





「ああ、待ってたよ」


部屋に入ると、テーブルの上にご飯を用意している千さんがいた。
ご飯を見ると、今日もいつも通りのベジタリアンメニュー。


『ご飯いつもありがと!何か手伝う?』
「いいよ、仕事疲れたでしょ?座って」

『ごめんね、千さんも仕事だったでしょ?』
「まあ、そうね。でも、いいよ」


千さんはすでにラフな格好をしており、リラックスモードだ。
シンプルでラフな格好をしていても、そこにいるだけでオーラと気品がある。
家事をさっさとこなす姿とのギャップが少し面白い。

千さんは手際よく料理の支度を終えると、私の隣に腰掛けた。


『そういえば、急な連絡だったけど何かあった?』
「何もないよ」
『それなら良かった』
「ああ、実は仕事が急遽オフになったんだよね」
『へえ、』
「そろそろ構ってほしい頃かと思って連絡したけど、違った?」
『いや、構ってなんて一言も言ったことないし、毎回呼ばれて来てるんだけどなぁ』


正直、最近会えてなかったから、会いたいなと思っていた。

千さんの仕事が忙しいのはいつものことだが、実は私も仕事で新しい企画に携わることになって、最近まで残業続きの日々だった。

その話をしたら、気を遣ってくれたのか、ここ一ヶ月くらい呼ばれることがなかった。
千さんの分かりづらいけど、優しい部分だとおもう。


仕事の忙しさにもよるが、いつもは二週間に一回ぐらい、こうやってご飯に呼ばれていると思う。
多い時は毎週会ってる時もある。


特別な用事はなく、ただ会って、食べて、話すだけ。


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