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愛が禁じられた世界で[dzl]

第19章 乾いた笑い


 沈黙が横たわった。ただ、看守長だけが苦しそうに呻きながら言葉を言い続ける。
「はははは……はははははは!」看守長は意味深そうに笑った。「確かお前たちは、ドラゴンが愛を奪っているだかというただの大嘘を聞きつけてオアシスにいたんだったな……?」
「それがなんだっていうんだ!」
 気を取り直したドズルが声を放った。それをきっかけに、ぼんは遠目からそーだそーだと言い、おらふくんは人助けのためだと返した。MENにいたっては、面白そうだったからと言ったのだが。
「俺はみんなからたくさん教わった……」おんりーが話し出す。「みんなと笑ったりケンカすることも、大切な感情だったんだ。だから……「愛」のない世界は間違っているんだ……!」
「間違っている? ならばそこにいるやつがたった今倒れたらどう思う?」
 そう言いながら、看守長はMENを指さした。MENは物怖じせず、なんで俺だよと後ろのぼんを目で指した。
「俺が倒れるくらいなら、ぼんさんの方が倒れた方がいいでしょ!」
「なんで俺なのよ?!」
「はははははは! 愚かな……そんなものがあるから争いは起きる……「愛」なんて下らないものがあるから、あの王は……!」
「もうやめなさい、看守長よ」
 え……?
 思わぬ登場人物に、誰もが扉を振り向いた……。
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