第8章 思わぬ事態
「……おらぁああ!!」
そこに飛び込んできたのはMENの一声。どこから聞こえるんだと兵士らが狼狽えた隙に、MENの一振が、敵の地面を抉り取った……。
「うわぁああああ!!」
地面の下へと流れ込む兵士の数々。兵士たちの誰かが叫んだ。
「建築家のMENだ! やつの使うツルハシは異常だぞ!」
「撤退、撤退ー!」
兵士たちはおんりーを捕らえたオリを引いてその場から逃げ出そうとした。MENの攻撃は止むことなく地面を掘り続けたが、あと一歩オリに届かない。
「おんりー!」
おらふくんも走って追いかけようとしたが、敵は馬に乗っている。人間の足だけでは到底無理だ。
「すみません、ドズルさん」
敵は瞬く間に小さな点となり、追いつかないと判断したMENが地面から上がってくるなりそう言った。
「ドズルさん、何かいい案がある訳?」
しかし、ぼんだけは違った。ニヤリと笑む顔を崩さずドズルを見やる彼は、ドズルがぼんを信頼しているのと同時に、ぼんもドズルを信頼していることを、ネコおじは知っていたのである。
「僕にいい考えがある」
とドズルは顎に手を当てながら言った。