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蜩(ヒグラシ)の宿─にの江大江戸人情帳─

第4章 禅寺人斬り騒動編


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すると、爺さんも負けじと立ち上がって、ぎゃあぎゃあと喚き散らした



祖父「なんだい一銭も金を持って来てねぇ癖に、なに勝手な事をぬかしやがるんだっ!ええっ!?

そうだ、孫を引き取れって言うなら、代わりに錢を寄越しなっ!!

まさか、タダで餓鬼の面倒を見ろなんて言わねえだろうな、ああんっ!?」

にの江「はぁああっ!?(怒)」



あたしは余りにも強欲で薄情な爺に我慢がし切れなくなって

その強欲爺さんの胸倉をガシッと掴んだ



にの江「いい加減におしよこの強欲爺がッ!!

誰がアンタみたいなクソ爺の所に可愛い侑李ちゃんをやるもんかねッ!!

それこそ金を積まれたってこっちから願い下げだょこのスットコドッコイッ!!!(怒)」

祖父「ひぃっ…」



爺さんは、あたしの剣幕にすっかり腰が抜けてしまったらしく

情けない声を出すとその場にヘナヘナと尻餅を付いた



にの江「雅吉っ!!

こんな胸糞が悪い爺んトコなんか居られないからねっ!!侑李ちゃんを連れて帰るよっ!!(怒)」

雅吉「あぃよ(笑)」



雅吉は、プリプリ怒って先に部屋を出て行くあたしに続いて

何時も通りへらへら笑いながら爺さんの屋敷を出た




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