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蜩(ヒグラシ)の宿─にの江大江戸人情帳─

第3章 養子騒動編


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お互いに、同じ“母親”として、心が通じ合った(らしい)お智ちゃんと正室の方


でも、お智ちゃんはまだ軟禁状態のままです…







正室の方「時に、智子や

お前、わらわを見舞いにわざわざ下屋敷まで参った訳では無いのであろう?

なんの用事があったのじゃ」


お智「わたくしには、もう、このお屋敷に用事など御座いませぬのですが…

…兄上を亡き者と思うておる者たちが、わたくしの子を跡継ぎにと目論んでいるのです

それで、わたくしは騙されてこの屋敷に捕らわれてしまって…」


正室の方「なんと!!」


お智「……わたくしは、息子を……恋太郎を何処にもやるつもりは御座いませぬ

恋太郎は、わたくしと翔吾さんの宝物…

恋太郎は、薬種問屋の跡取り息子で御座いますから」


正室の方「………」


お智「ああ、そうでした、コレを…」


正室の方「なんじゃ、それは?」


お智「眠り薬で御座います

母上が、病気の兄上を心配するあまり、不眠になってお困りだと聞いておりました故、お持ち致しました」


正室の方「………そうか、では、有り難く頂くとしよう」


お智「はい、……!?」


正室の方『……静かに声を立てずにお聞き』


お智「…………」


正室の方『この薬は、わらわが貰った事に致す故

そなた、この薬を香炉にでもくべて見張りを眠らせ、逃げるが良い』


お智「!!!///」


正室の方『…わらわには、この様な助言しかしてやれる事はないが…上手く逃げるのですよ』


お智「…………ありがとう、ございます/////」







ナイス、正室の方ッ!!

伊達に歳は取ってないですね!!(←失礼だから)


そんな訳で、見張りを突破する手立てを入手したお智ちゃんですが

上手く見張りを眠らす事が出来るでしょうか…





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