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🍆だけが襲われる世界で

第9章 次々とトラブル?


 俺たちは慎重に洞窟を下りながら、溶岩溜まりの前までやって来た。
 洞窟は少し暗かったが、ここまで敵と会わなかったのはこの溶岩溜まりが近くにあったからだろう。ついでに鉄がまた見えたのでツルハシで掘ると、丁度バケツが作れる数だったので早速作業台を置いた。
 そこでスケルタがまた話しかけてきた。
「ねぇねぇ、それ僕にも出来る?」
「これ?」
「うん」
 先程のスケルタの不器用さから見て、どうやらクラフトのことすら知らないようだと思った俺は、作業台に物を置いてツルハシのレシピを並べてみる。
「こうやって作るのよ」
「ここに?」
「そうそう」
「それからこうして……」
「わぁ、出来たよ、ぼん!」
 スケルタは自分で作った出来立ての石のツルハシを見て俺に向かって微笑んだ。なんだ。ただのいい子じゃないか。
「よくやったな、スケルタ!」
 スケルタの頭をぽんぽんと撫でてみると、溶岩溜まりの熱気ですっかり乾いた白い髪がサラサラして心地よかった。
「えへへ!」
 スケルタは素直に喜んだ。普通にかわいい。俺は意識し過ぎたのかもしれない。俺はスケルタを子どもみたいな感じで接したらいいんだ。
 いやいや、俺の子どもじゃないけどね?
 それはそうと、早くネザーゲートを作らなくては。水バケツを使ってネザーゲートを作ろうと思ってふと気づいた。……水がない。
「バケツに水入れないといけなかったわ」
「水?」
「そーそー。さっきのところに水あったよね? あそこに一回戻るわ」
「ついてく!」
「いやいや、すぐそこだから大丈夫よ」
「そーなの?」
 素直にスケルタと行けばよかったのに、俺はすぐ戻るからと渓谷まで戻ったつもりが……迷子になったのである。
「うわぁ……ここどこよ……?」
 迷子の途中でバケツに水は入れたものの、帰り道が分からない。いっそのこと階段掘りして一旦地上に上がろうかと思った矢先、トラブルは起きた。
 バサバサ!
「え、何なに?」
 小さな羽音と甲高い鳴き声。
「キィー!」
「うわぁあ、コウモリ?!」
 今度は俺に、コウモリの集団が襲ってきたのだ──
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