第9章 番外編/濡れてないと…
「五条くん…、もう怒ってはいないのだけどね。私も少し過敏に反応し過ぎたわ」
「寧々…」
しおらしくていじらしい寧々の姿に、タッてしまうものはどっちだと思う?
「ごめんな寧々、軽い冗談のつもりだったんだ」
「そうなのね、私ってば冗談だとすぐ気付かなくて…」
しゅん、と反省した態度を見せる寧々に罪悪感が芽生える俺。
そして下心も芽生える俺。
抑えようにも抑えられない。
自分で制御できるものじゃないからな。
勝手にタッちまうものだからな。
いつもの寧々も可愛いけど、落ち込んでる寧々は癒してあげたくなる。
いや、まぁ、元凶は俺なんだけど。
「本当に悪かった。これ、お詫び」
「こんなに沢山…!嬉しいけど申し訳ないわ」
「じゃ、そういうことだから!また明日な!」
これ以上ここにいてはいけない、本能がそう警告する。
下半身に、自分の体の一部なのに、制御できないもの。
寧々を可愛いと、好きと思うほどにタッてしまう。
やっぱり俺を変態にしたのは寧々だ。
一つしかない真実をようやく噛み締められたのは、誰もいない1人の部屋に帰ってからだった。
次の日、俺はスッキリした顔で登校することになったのは言うまでもない話。
終わり