第9章 番外編/濡れてないと…
「何考えてんの?やらしーこと?」
「……五条くんの考えが少しだけ移ってしまっただけよ」
辿り着いた答えは、寧々が盛大な勘違いをしていること。
そうなるように仕向けたのは俺だし、ありもしないような思い違いをさせたかったのも俺。
勘違いする寧々は可愛くて、俺はそんな寧々も大好きだってこと。
「くくっ、寧々の頭の中も少しだけ変えたほうが良さそうだな?」
「そ、それは五条くんのっ「俺は寧々といると時間がすぐ経っちまうって言ったんだけど?」
「へ…?」
寧々はぽかんと口を開けて、再度驚いた顔をした後
「わ、私はっ…!?ち、違うのよ…っ!?」
おろおろしたいのか、怒りたいのか、恥ずかしいのか、色んな感情が混ざり合った顔をした。
きっと寧々の脳内には無限の情報が流れ込み、いつまで経っても思考がまとまらない。
無数の情報が完結することなく脳内を行き交っているはず。
五条くんカッコいい、私ってば勘違いを、五条くんイケメン、私ってば変態、五条くん大好き…なんて思ってくれたら最高なんだけどな。
「ご、五条くんの…っ、ば、バカぁ、!」