第9章 番外編/濡れてないと…
『慣れてないと痛いらしいね』
『そう、痛くて違和感があるのよ。入れるのにも手間取るし』
硝子との会話から察するに、俺の予測は外れていない。
寧々は慣れていないから痛くて
濡れていないから痛くて
挿れるのにも時間が掛かる…待てよ?
寧々は俺と付き合っている。
そして俺達はまだそこまで達していない。
だとすると相手は?浮気か?寧々に限ってそんなことはあり得ない。
仮にとか、前提だとしてもそんなの成り得ない。
そもそも俺は浮気をするような人を好きにはならない。
だとすると…
「傑、俺の寧々はどうやら欲求不満らしい…」
「おやおや、悟がいながらそんなことがあり得るのかい?」
「俺が思っている以上に寧々は俺を求めてたんだよ…!!」
「うーん、確かに寧々ちゃんは悟の持ってるものが欲しいだろうね」
「モノ…そうか、やっぱりモノだよな。傑もそう思うよな」