第90章 薬飲ませて襲おうとして(潔・玲王・凛・氷織・ネス)
糸師凛
「お前好きなやついるのかよ」
ふとした会話で気になっていたことを幼馴染である🌸に聞けば、コイツは一瞬で顔を真っ赤にさせて小さく頷いた。
『いるよ…小さい頃から好きな人がいるの』
その言葉を聞いた瞬間、絶望に近いものが溢れてきて目の前にいる🌸が憎く思えてしまった。だってコイツは昔俺の事を『すき!何時か凛ちゃんのお嫁さんになる』なんて言ってたのにもう俺の事は捨てて違うやつを好きになるのかよ…。お前も俺の事捨てるのかよと憎しみが溢れて溢れてどうにかなりそうな気がした。
「俺の事捨てれないようにしねぇと。既成事実でも作って、俺の傍に置かねぇと」
そう思い🌸を久しぶりに家に連れてきて、アイツの飲み物に睡眠薬を入れた。もうどうでも良い、無理矢理にでも俺のモノにしてやると思いながら🌸が眠るのを待つ。
『凛ちゃん、ごめん。なんか眠たいから寝ていい…?』
「寝とけ」
『ありがとう…へへ、凛ちゃんの匂いがする』
なんて言いながら🌸は俺のベッドに寝転がりそのまま寝てしまい、それを確認した俺は🌸に覆い被さりお襲おうとした時だ。
『凛ちゃ、すき…すきだよぉ……。およめさ、んにしてねぇ…』
🌸は口をむにゃむにゃと動かしながらそう呟いた。その瞬間俺の目から涙が落ちて、その涙のせいで🌸は直ぐに目を覚ました。
『え!?凛ちゃん!?なにして…、て!?なんで泣いてるの!?』
「俺を殴れ…」
『はい!?』
その後俺が何をしようとしたのか説明すれば🌸に頭を叩かれた。
『もう!小さい頃に約束したじゃん!お嫁さんにしてくれるって!馬鹿!馬鹿凛ちゃん!』
「悪かった…。好きだ」
『うん、私も好き』
そう言って🌸は俺を抱きしめてくれた。