第48章 脆弱
「騒いだらグサッと刺すからな?大人しくしてろよ。」
『っ、なに…を…』
「クククッ…すぐに分かるって。」
男達のニヤついた顔を間近で見て鳥肌が立つのを感じると
1人の男が持っていたナイフで私の服を正面から縦に引き裂いた。
『!!いやあぁぁ…!!やめて……、っ!!』
嫌だと声を発するとすぐに頬に痛みが走り
平手打ちをされたのだと分かって…
口の中が切れて血の味がし、体の震えが激しくなった。
「騒ぐなっつったよな?次に叫んだら刺すぞ。」
『っ、い…や……やめて…下さ…』
「お、めっちゃいい体してんじゃん。
おっぱいでかっ!」
ナイフで切り裂かれたことにより
私の服が左右に開かれて下着が丸見え。
羞恥心と恐怖心が私を襲い、涙がポロポロと流れた。
こんな思いするくらいなら
いっそのこと早く殺して欲しいくらいだ…
赤井さん以外の人に自分の体を見られるだけで
こんな嫌な気持ちになるなんて…
「そんな泣くなって〜
死ぬ前にたくさん気持ち良くしてやるからな?」
「おい、早くパンツも脱がそうぜ〜?」
男はそう言いながら私の履いているスカートを捲り
舌舐めずりをし、手を伸ばして下着に触れようとしている。
嫌だ……触らないで……
誰か助けて………
助けて……!!
『……ぁ…かい、さ……たす、け、て……』
小さい声でそう呟いた私を男達はニヤつきながらも手を止めず…
絶望した私は、諦めてギュッと目を閉じた。
…しかし目を閉じるとすぐに廊下を走る足音が聞こえてきて
それは少しずつ音楽室の方へと向かって来ていた。
「チッ…!誰か来たぞ!!警察か!?」
「でもパトカーのサイレンの音聞こえねーぞ?」
警察じゃないってことは……
ひょっとして…
「美緒!ここにいるのか!?」
『っ…!!』
声は昴さんだったけど…やっぱり赤井さんだ…
助けに…来てくれたんだ…
男達が慌てている間に
赤井さんの足音は少しすつ準備室に近づいて来て
扉の方に目を向けると息を切らした赤井さんと目が合った。