第15章 ダブリスの獣たち
「アールシャナ中尉。この者の相手は我輩が致そう」
後ろからアームストロング少佐の声が聞こえた。
加勢にきてくれたのが少佐でよかった。
私一人だけでドルチェットさんとロアさんを相手にするのは少しばかり骨が折れそうだと思っていたから。
私は持っていた拳銃をホルスターにしまい、両手を合わせ地面に手を付いた。
錬成された刀を握り、ドルチェットさんに向き直る。
「あんたも錬金術師だったのかよ」
「国家資格は持っていませんが……」
お互いに間合いを取り合い、出方を窺う。
緊張が腹の底に感じる。
少しでも緩めてしまえば、ドルチェットさんはすぐに動きだすだろう。
未だに私の心は迷ってばかりだ。
だけど、覚悟は決まった。
迷った者から死んでいく。
戦場とは、そう言う場所だ。
少しだけ血の匂いのする空気を吸い込み、軽く息を吐くのと同時に私はドルチェットさんの間合いに入り込んだ。
「……っ!!」
刀の切っ先がドルチェットさんの頬を掠める。
間一髪のところで避けたか。
「ちくしょ……。てめぇもあのガキも俺より速ぇとか……、落ち込むぜ」
「確実に捉えたと思ったのですが……。やはり速いですね」
「嫌味かよ!!」
次で仕留めよう。
長引かせたくない。
そう思った直後だった。
ドルチェットさんの身体を、刀が貫いていた。
壁の向こう、ロアさんが破壊した壁の中からその人物はゆっくりと姿を現す。