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【鋼の錬金術師】紅の幻影

第15章 ダブリスの獣たち









グリードには先ほどの攻撃は効いていなかった。
アルフォンスくんの頭を掴むと、そのまま地面に叩きつけるグリードに銃口を向けるが、アルフォンスくんを盾にされ撃つことができない。

首筋に感じる鋭い切っ先はドルチェットさんの刀だろう。
変な動きをしたら、即首を跳ねるつもりだ。
奥歯を噛み締めゆっくりと両手をあげる。
攻撃の意思がないことを告げれば、ドルチェットさんも刀を下ろした。

「がっはっは!!思い切りがいい奴は好きだ!おまえら見所があるぞ!だが、これじゃあ全っ然ダメだ。俺を倒したきゃこれくらいやらねぇとな」

そう言うや否や、グリードの頭が上顎から半分はじけ飛んだ。
ロアさんがハンマーで思い切り殴ったせいだ。
グリードの身体はびくびくと痙攣している。
地面に広がる赤い液体と鉄の匂いに、顔を顰めてしまう。

「なんて事するんだ!!仲間で……、しょ」

アルフォンスくんの叫びは言葉尻と一緒に小さくなって消えていった。
目の前で、頭が半分ないグリードの身体がゆっくりと起き上がったから。
一体、私は何を見ているんだ……。
確かに彼は死んだはずだ。
頭を失った人間が生きているはずがないんだから。
だけど、実際彼は動いている……。
生きて、いる……。







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