第15章 ダブリスの獣たち
「おまえ、イーストシティで殺人鬼と闘った事があったろ」
イーストシティ……、殺人鬼……。
スカーとの戦闘だ!!
あの時、アルフォンスくんの身体は破壊されてしまった。
あの時か……!!
グリードは言った。
憲兵や一般人に見られていた、と。
いくら緘口令を敷いたところで、人の噂話や批判は完全に止めることはできない。
その情報が流れ、グリードの耳に入った結果、こうなったということか。
「それで。あなたの目的はなんですか。彼を連れ去って、どうするつもりですか。内容によっては、今ここであなたを排除します」
「おー、怖ぇな姉ちゃん。だが、あいにく俺は女とやりあう趣味はねえんだ」
喉奥で笑うグリードは、魂だけを錬成して別の物に定着させることは、やりようによっては永遠の命を手に入れることが出来るだろ、そう言った。
「俺は強欲だからよ。金も欲しい!女も欲しい!地位も!名誉も!!この世の全てが欲しい!!!そして永遠の命も……だ!!」
だからアルフォンスくんを狙っていたのか。
自分の欲望のためだけに、こんなことを……。
手に隠し持っていた石で地面に錬成陣を描き始めるアルフォンスくんに気が付き、私もそっと手を合わせた。
次の瞬間、地面から錬成された物がグリードの鳩尾を殴った。
その隙に私は手足を縛っていた縄を解き、銃を手にしようとした。
が、それは叶わなかった。