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おんぼん学校パロ

第1章 おんりーチャン目線


 なんで俺がそんなことを心配してしまうんだろう。今まであんまり流行りものには興味もなかった俺が、そんな言葉に出来ないからこそ今日、綴ってきた想いを、放課後、ぼん先生に渡した。
「え、ラブレター? いやぁ、ありがと、嬉しいねぇ」
 手紙を受け取るとぼん先生は素直に喜んでいるように見えた。と同時に、八割がた冗談のように笑っているみたいだった。だから俺はこう付け足した。
「ラブレターです」
「え」
 たちまち表情が変わる先生。この人は本当に分かりやすい。この反応が面白くてみんな彼をいじられキャラに仕立てるんだろうが、度が過ぎるのは俺も見てはいられない。
「とりあえず、もらっとくね?」
「はい」
 ではまた来週に、俺は先生におじぎをしてから教室を後にした。
 この週末に手紙を渡したのは、策略でもあって、不安でもあった。来週になるまでの猶予があると同時に、来週まで反応を待たなきゃいけないという恐れ。書いた内容を忘れた訳でもないのに、忘れたい思いでもあった。
 だけど、先生……彼がどのように対応をするのか、一つも予想がつかなかった。人の感情というのは、法則性や規律性と違って正直面倒だ。
 でも、今日だけはそれを無視して自分の感情に従った。これは自分への成長への一歩だったかもしれないし、後退だったかもしれない。その先のことは、彼に委ねることになるけれど、おんりーと名づけられた俺の心は、もう一人ではなくなっていた。
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