第3章 追憶
地面なのかも分からない、多分その場に座り込んだ。
誰かに見放される失望感とはこういうものなのか。
ログアウトが出来るのかも聞いていなかった。
ただ真っ暗なこの世界に出口が有るなら早く出たいと思った。
不安に支配され始めた時、一瞬だけ目の前に瞼を劈く明かりが見えた気がした。
正確には瞼の内側が明るくなったような感覚だ。
その光が来た方へ立ち上がり、身体を向ける。
走れているのか分からない。走っている気がする。
誰かにぶつかったかもしれない。
脚がもつれて転けたけど痛みもない。
起き上がってまたそっちへ向かった。
身体が浮いた様な気がした。
脚が上手く地面を蹴れていない気がする。
前に進んでいない。
全て雲を掴む様な話だ。
何かが身体にあたる。
身動きが取れない、これは
ーー抱き止められている…?…ーー
何処かに入れられたのか、何かに座らされた。
手を伸ばせば、伸ばし切る前に何かに入れられている事が辛うじて伝わった。
やがて息苦しさに襲われ、私は眠りにつくように意識を手放した。
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