第12章 半年経ちました。
「………何処行っちゃったの、智くん(号泣)」
ダッシュで戻ったマンションの部屋に
俺の帰りを首を長くして待っていてくれているハズの人の姿は、何処にも無かった
慌てて智くんの携帯に電話するも、繋がらず
俺はどうしたら良いのか解らずに途方に暮れていた
「……やっぱり俺、捨てられちゃうのかな(泣)」
自分の全てを投げ打って、愛人と言う立場に甘んじてまで尽くしていた人を
そんな簡単に忘れられる訳はない
そんなの、解ってる
それでも、かつてその人に向けられていたのと同じくらいかどうかは自信ないけど
俺を愛してくれている
そう、思っていた
「……俺の独りよがりだったのかな……」
愛されているって思ったのは、俺の幻想で
本当はただ、寂しさを紛らわすだけの場つなぎ的なことだったのかもと思い
情け無いことに、涙が溢れて止まらない