第10章 過ぎた恋の話し
(……フロントの人が僕の顔覚えててくれて良かったよ(苦笑))
僕は可愛い翔くんの寝顔を眺めながら、軽い溜め息を付いた
ホテルに着いた僕は、急いで翔くんの待っているハズの部屋へ戻った
でも、どれだけ呼び鈴を押しても、一向に反応がない
一瞬、帰ってしまったのではと焦る
でも、もし帰ってしまったなら、ドアが開いている筈だ
何にせよ、とりあえず合い鍵を貰って来ようとフロントへ行くと
連れが寝てしまって中に入れないと言った僕に、すんなり合い鍵を渡してくれた
で
合い鍵を使って部屋に入ると、本当に翔くんが爆睡していて、僕は可笑しいやら嬉しいやらで
声を堪えて一人で暫くの間笑っていた
「………本当に、可愛いなぁ///」
僕は、ベッドの端に腰掛けて、翔くんの寝顔を見詰めながら呟いた
男の人を、こんなに可愛いと思ったのは初めてだった
松岡さんに感じていたのとはまた違った愛しさで、胸が熱くなる
守ってあげたい…って
傍にいてあげたいって、思う
今日、出逢ったばかりの彼だけど
何か、自分と同じ匂いを感じた
(……早く起きないかなぁ……さっきの続き、聞きたいなぁ……)
僕は、翔くんの髪を、指で梳きながら撫でた
「早く起きて、さっきの続き聞かせて?
…そんで、えっちの続きしようよ………ね、さくらんぼさん?///」
「………ん〜…」
「ふふ///」
ムニャムニャやりながら、寝返りを打つ翔くん
僕は、そんな可愛い人の耳元で、その名前を呼んだ
「………翔くん」