第8章 因果呪縛を解く
星漿体の通う女学院に音もなく侵入した甚爾は、掲示板の情報に釣られた呪詛師2人が護衛の注意を引いている様子をつぶさに観察する。
礼拝堂から出て校舎の屋根に飛び乗った五条悟が掴んでいる少女は星漿体だろう。
万全の五条悟を相手にする気は全くないので、ここでは星漿体は狙わない。
まだ護衛2人を削る段階だ。
この2人は無視してもう一方だ。
ガラスの割れる音がした方向へ向かうと、その途中で星漿体の付き人が呪詛師と戦っていた。
狙うならこっちだろう。
すぐにもう1人の護衛の夏油傑が来たため、静かに星漿体の付き人が1人になる時を待つ。
呪詛師……の分身が倒されたところでその瞬間は訪れた。
「万が一ということがあります!夏油様の方が速い。先にお嬢様の所へ!」
付き人の黒井に促され、夏油が先行して走り出す。
ある程度距離が開いたところで、甚爾は黒井の背後に迫り、手刀を落として気絶させた。
周囲に人の気配がないことを確認し、近くに待機させていた孔の車へ黒井を運ぶ。
「オイオイ、その女、星漿体の付き人じゃねぇか」
「このメイドも削りだ。テキトーに連れてって、テキトーに殺せ」
「ったく、俺は仲介役だぞ」
渋い顔をする孔を横目に甚爾は後部座席に黒井を乗せ、万が一目を覚ましても逃げられないよう手と足を縛っていく。