第8章 因果呪縛を解く
「さて、あなたも痛い目を見たいのかしら?」
「なっ!?」
倒れた茶髪男の向こう側にいた伽那夛は一瞬でスキンヘッドの男の目の前に移動していた。
焦ったスキンヘッド男が人質の情報屋を切りつけるより早く伽那夛の蹴りが炸裂する。
彼は教会の祭壇近くまで吹き飛び、すぐには立ち上がれなかった。
「う、ぐぅ……」
身体の内部から焼かれたような鋭い痛み。
呪力でガードしたはずが、どうしてここまでのダメージになるのか理解できずに混乱する。
「あら、気絶しなかったの?少し甘かったかしらね」
伽那夛が追撃しようと祭壇の方へ歩き出すと、これまで静かだった情報屋が口を開いた。
「……感電しているね」
「見ただけでよく分かること。私の呪力特性よ」
伽那夛は呪力特性が電気と同様であり、自身の術式と組み合わせることで電磁石の働きを利用したり、電磁波を出すことができる。
さっきは足元と靴に術式を使うことで磁場の反発力で浮き上がり、呪力で電気を流すことで高速移動したのだ。
更にこの特性は並の呪力ではガードできず、絶縁体を全身に纏って防御でもしなければ、目の前で起き上がれなくなっているスキンヘッド男のように感電する。