第8章 因果呪縛を解く
そして少し歩くと、先程情報屋から受け取った番号に電話をかける。
コール音が数回鳴った後、電話が繋がった。
『誰だい?』
女性の声だ。
伽那夛は九十九に会ったことがない上、声も聞いたことがないので本人かどうかの判別はできないが、ここは買った情報を信じることにする。
「初めまして、私は五条伽那夛。九十九由基さんで間違いないかしら?」
『そうだけど、初めましての人、しかも五条家の人間がどうしてこの番号を知っているのかな?』
電話口の声が一段と低くなり、こちらを警戒していることが伝わってきた。
「知り合いから聞いたの。あなたに折り入って話があってね、電話で話すことではないからすぐにでも会いたいのだけど、今は日本にいるの?」
『……いるよ』
「そんなに警戒しないで?急ぎだけど別に悪い話ではないのよ。そうね……明日私から伺うわ」
『どんな話?説教?それとも総監部から何か言われたとか?』
「違うわ、天元様の同化の話よ。総監部は関係ない。今は同化予定の星漿体の居場所がバレてしまって、それどころではないからね」
『私にその星漿体を護衛しろって?』
「いいえ、それは別の術師がやるわ。私が話したいのはもっと大それたこと」
『大それたこと?』
「電話で言えるのはここまでね。後は直接会って話すわ」
九十九はまだ警戒を解いていないようだったが、ひとまず会う段取りが決まり、一通り話し終わって電話を切る。
ふぅと息を吐くと、先ほど情報屋と会った教会の方へ向かう人の気配を複数感じた。
何事かと思って静かに道を引き返し、教会を窺うと中に入っていく人間が2人。