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山鳥と雛鳥

第18章 懐かしさ


その声に無理やり顔を上げる。

「なんですか?」

「ちょ…ちょも…さ……?」

ちょもさんは私に駆け寄って来た。

「どうしたんだ?こんなになって、具合でも悪いのかい?」

「なんだよ。あんたには関係ないだろ。
ちょっと酒飲んで酔ってるだけだよ。」

その人の口調が少し荒くなる。

「今、私は雛鳥に聞いているんだ。
雛鳥に本当に寄っているだけか?」

私は小さく首を横に振る。
酔っていたとしても見ず知らずの人にどこかへ連れていかれたくない。

「………すまない雛鳥。君に触れることを許して欲しい。」

ちょもさんは、彼から私を取り上げ抱き上げる。

「は?何してるんだよ。」

「ここまで送ってくれたこと、真に感謝する。
それに、この子の父親を知っているか?
警察関係者だ。」

ちょもさん…?なんで私のお父さんの仕事を知っているの…?

分からないよ…。

「自分の身が大事ならこの子に関わらないでもらおう…。」

「は…なんだよそれ?」

「いいな?」

ちょもさんの声はすごく怒っていた。

「……雛鳥、少し立てるか?背負うから。」

私は何とかして足に力を入れて、くるりと背を向けたちょもさんに体を預ける。

ひょいっと軽々しく私の体を持ち上げちょもさんは、歩き出した。
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