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山鳥と雛鳥

第17章 恋心



私はバイトを終えて、泣きながら歩いていた。

「あれ?⚫⚫?久しぶり!って泣いてるじゃん!
どうしたの?」

声に驚き顔を上げた。
高校時代の友達がこちらに歩いてくる。

「あ、あぁ…久しぶり…。」

傷心気味の私に友人との再会はあまり喜べない。
1人にしてほしい。

「元気ないじゃん。なんかあった?」

「ううん。仕事とかいろいろ疲れてるだけだよ。」

「泣いてたのも?」

「ちょっとね。」

「そっか…それじゃあさ!一緒に飲みに行かない?
男の人もいるんだけど…ほら部活の先輩もいるからさ!」

「男の人…。」

なんでそうなるのか分からないけど、有無を言わさずに私は居酒屋へと連れていかれた。
本当は行きたくないけど、身の程知らずの自分ではどうしようもなく流されてしまう…。

「あれー!?⚫⚫じゃん!久しぶりだなぁ。
何飲む?サワー?カクテル?」

ほんとに先輩いるし…。その隣には知らない男の人。
今はお酒も飲みたくないし、ほんとにひとりにして欲しい。
何度かやっぱり帰りたいと言ってても友達も先輩もなんでなんでと引き止める。
終いには奢るからと言われ、いるだけならと妥協してしまった。

「ソフトドリンクで…。
私、家以外で飲まないようにしてるから…。」

「えー?なんで?1杯くらい良くない?」

友達は高校の時よりお洒落して、キラキラして遊び慣れている感じがする。

「⚫⚫、もしかして下戸?」

「うん、そんなとこ?」

お酒自体、好きじゃない。

「そっか、とりあえず烏龍茶でいい?」

私は頷く。
友達がタッチパネルから注文をした。
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