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山鳥と雛鳥

第17章 恋心


2月になり、いよいよだと私は決心した。
世はバレンタイン。
振られてもいい、実らぬ恋だろうといい。
ただ、私が告白することによってちょもさんの足でまといになりたくはないから…

「勝手に好きになってました。」

言葉はこれでいい。
想うのは勝手、付き合ったりそれ以上踏み込まなければいい。

そうと決まれば!

なんて勢いで私は……チョコクリームの今川焼きを作った…。

洋菓子も好きなんだろうけどどちらかと言うと和菓子が好きだった気がして…。

ちょもさんはいつもの時間に茶屋にやってきた。

「いつも、ありがとうございます。」

ちょもさんはいつものように菓子を買って帰ろうとした。

「あ、あの…」

「ん?どうしたんだい?」

「今日、えと…」

緊張で口が回らない。
なんでこういう時は上手くいかないんだろう…。

「勝手ながら好きになりました。これ作りました!どうぞ!」

あれだけ脳内でやっていたシュミレーションなんてゴミ箱に投げ捨てられた。

「……」

ほらー!めちゃくちゃ困ってる!
分かりやすいくらいのキョトン顔!!

「あ、えと…すまない…なんかのイタズラとかやらされてるのかい?
そういうのは、その想い人に…」

ちょもさんはうーんと唸った。
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