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山鳥と雛鳥

第16章 夢の中の彼と香りの記憶


その答えが分かったのは次の日。

資格取得のために買っていた教材を整理したくて久しぶりに一人暮らしの押し入れを開けた。
ガサガサといるものといらないものを分けてダンボールに詰める。
ついでに部屋の片付けがてら断捨離しようと思っていろいろ出してみた。

その中の1つにとある缶を見つけた。
中学生の頃の私がどうしても捨てられないものを入れていた缶。
缶の蓋には「宝物捨てるべからず」と書かれている。
これがなんで今更出てきたのかしまってたのを忘れていたのかもしれない。

パカッと開けてみると友達と撮ったプリクラ、お揃いのストラップや遊びに行った時の記念にチケットとかが入っていた。

「ん?なにこれ?」

折れないようにダンボールに固定されている2本の棒を見つけた。

「なにこれ?線香?」

葬儀とかお墓参りとかで見るようなその棒を取り出す。

「線香みたい…。」

私はくんくんとそれを嗅ぐ。
普通の線香ならなんで私はこんな大切にしているのか?
それに私がよく使うのはアロマデュフューザーやキャンドル。
お父さんの妹さん(おばさん)が好きで私もキャンドルにハマっていたし。

本当になんでだろう?

火をつけてみる?

湿気てないよね?

私は何となくキャンドルを置くためのキャンドルホルダーにそれを立て掛けて火をつけた。

じんわりと火のついた部分が赤くなり煙が上がる。
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