第25章 新しい生活は
あの時同様、ソファに腰を下ろす。
静寂な空気が流れているけど、脳内は混乱が続いている
『あの、安室さん』
意外にも、その静寂を破ったのは自分だった
『私、さっき…』
「ああ、知っている」
『え?』
「みなみさんには僕の事を話しておくべきだと思ってね」
『はい…』
安室さんが話そうとしている事は、ある程度は予想が出来ている
「僕は」
安室さんの口から出てくる言葉は、想像を遥かに超えていた。
安室さんへの疑問は晴れたけど、なんて言うか…
『じゃ、じゃあ…安室透は偽名で本当は公安警察で、潜入捜査もやっている、と…』
「ああ、そうだ」
安室さんが警察なのは合っていたけど、それよりも規模が凄すぎて
どう反応したら良いか…驚きが大きくて。
「だからみなみさんを混乱させない為にも黙っておいたんだ。まあ、感の良いみなみさんにはある程度気付かれてたけどね」
『そりゃ…気になってしまいますもん…』
安室さんの部屋を探った事も勿論しっかり知られていた
この感じからすると、ワザとだったりするのかな…なんて。
「それで、みなみさん。問題はここからだ」
少し柔らかくなった安室さん、いや、降谷さんの表情はまたどこか固くなった
「みなみさんが見てしまったというのは、まさに僕が今潜入している先の奴らの事だ」
『だから、さっき知ってたんですね…』
「僕はその件については関与してないんだけどね、情報は入ってきていたから。だけど殺害された外国人が逃げ込んだ先にみなみさんまで居るとは思ってなかったんだ」
『ごめんなさい…』
「みなみさんが謝る事では無い。怖い思いをさせたね」
『はい…それに、あの二人に見られていたかもしれなくて』