第23章 追憶の果て
自分が笑顔になるまで撫でてくれていた手は、沈殿し始めたグラスに戻る。
グルグルと軽くグラスを回すと、二色になりかけていたフィズは
再びモダンな雰囲気を醸し出すバイオレットに戻っていた。
混ざり合い一色になった、まだほんの少しだけど渦を巻いたバイオレットフィズに何故だか吸い込まれそうだった。
『綺麗な色ですね〜』
徐々にポワポワしてきた頭を支えるかのように頬杖を着く。
さっき、ガッと飲んだギムレットが回ってきているのかもしれない...
「みなみ、酔ったんじゃないのか?」
『いえ、全然!』
そう言われると案外ハッとなったりする。
また一口貰って飲んでみたり、カクテルをこんなに楽しんだのはかなり久々だった。
同じタイミングで飲み終わり、グラスを片付ける。
本来だったらこのままベッドに入っている所だったけど、酔ったままを最後にしたくなかったから少しでも覚ます為に体を動かした。
片付けも全て終わり、ベッドの上に隣同士で座る。
やっぱり名残惜しいのは変わらなくて。
だけど気持ちはさっきと比べたら本当に軽くなった。
「みなみ、今日は本当に充実した日を過ごせたよ。改めて礼を言うよ」
『礼なんて...私もです、本当に楽しかったし幸せでした。こちらこそありがとうございます!』
「ああ。お前とならどんな事でも苦じゃない。いつだってな」