第9章 本心は
『二人の仲があまり良くないのは流石に見てたら分かります。だからこそ、赤井さんが少しでも気を悪くしない様にと思って黙っていました、すみません』
「ホォ...」
こいつの言い分を信じてやるか。
てっきり降谷君との事を知っているのかとばかり思っていたが、そうでは無いみたいだ。
俺の為とは言え、嘘をついたのも降谷君に会っていたのも気に食わん
それが優しさだとしてもな。
『だけど、それが理由にならないのも分かっています。本当にすみませんでした』
「みなみの言い分は良く分かった」
『ありがとうございます...それと、どうしてこのスマホにGPSを入れているんですか?』
成程。降谷君はそれをみなみに話したのか
まあ少々やり過ぎた所もあった為、気付かれるのも時間の問題だとは思っていたが。
当時の本当の理由を話したらこいつは...
ただでさえ、今にも泣き出しそうな目をしているというのに。
「それはだな...」
『監視ですよね?そりゃ最初からこんな怪しい人間が居たらそうしたくなるのも分かります...』
「みなみ...」
さっきから声は沖矢さんのままなのに口調はすっかり赤井さんで。
分かってはいたけど、いざそれを自分の口から言うのは案外辛い事でもあった。
最初だけなら分かるけど、ずっとそのままだったのはそれだけ信頼されていなかった訳だと思うと
今までの赤井さんとの事も、結局は要人の様な扱いをされてた私を繋ぎ止めたいが為の言動だったのかなって。
まるで悲劇ぶってみた所で現実は変わらない。
赤井さんへの思いも私が勘違いして勝手にそう思っていただけで、赤井さんからしたら厄介なだけだろう。