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えびまるの短編集《文スト》

第4章 相思相愛 (太宰治)





あの後私たちは他愛もない会話をして社のオフィスへ戻った

太宰さんが見たことないくらいのはなまる笑顔で

「諸君!月宮ちゃんは私のだからね!」

などと大きな声で言いふらしている



…から、付き合うどうのこうのといった話はしていないものの
まあ…、そういうことなんだろう


ーーー

1個だけ思ったこと

あの太宰さんのことだ
関係が変わっても、前と今でこれといった変化はない



…否、変化はある

………前より距離できてないか?


この間も…


「オハヨー!!今日はどんな自殺方法を試そうか」


『(あ、太宰さん…一体私はどのくらいの時間拘束されてしまうのだろうか…)』

思わず身構える

「月宮ちゃんもおはよう」

『おはようございます、…?』

ん?

「さぁて、今日も退屈な仕事を始めようかな…」

…?太宰さんは私の横を通り過ぎて自分のデスクに座った

『(あれ…?いつもなら引っ付いてくるのに…?)』

デジャヴ??押してみる作戦の仕返し?


…なんかちょっと寂しいなとか思っちゃうよね




ーーー


とまあなんだか距離ができてしまっています…




思い切って聞いてみるしかないのだ

『太宰さん…あのー、』

なんて言えばいいのか分からず
その場で考える

すると
「嗚呼ー!月宮ちゃん!私今大切な用事を思い出したー!!ガソリンスタンドでガソリンの試飲をしようと思っていたのだよーー」


へ?


「んじゃ、またねー」



…避けられてるよね!?これ!?私!!

引いてみるどころの話じゃないんだが…?



…あとは相変わらず太宰さんの美女探しが止んだわけでもなく…


んー、どうすればいいのやら…
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