~Diabolik LOVERS~Eternal love.
第4章 感情論
思い出さない、心の奥に閉じ込める。
自分からそう願ったことだ。
今さら、遅い……。
また思い出して泣かないよう、私は顔を左右に振った。
そして、今の状況を確認する。
手錠は…ついたままだ。
今眠っていた場所は…ベッドかな?
カナトくんは、ここにはいない。
あのあと、すぐに部屋を出たみたい。
幸い、部屋の中は暗くないし、
あれからそんなに時間もたってない。
なんとかして、ここから出ないと…
そう思い、体を動かす。
けれど、ベッドの柵と手錠が1本の鎖で繋がっているため、思うように身動きがとれない。
それどころか、動く度に手錠が皮膚にくい込んで、手首に痛みが走る。