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乙女ゲームの一生徒に転生した私は穏やかに暮らしたい

第3章 きっかけは教科書


どうしよう、推しの教科書拾っちゃった……!

このまま机の中に教科書を放置したら、困るのは敬人さんだ。ここは届けるべきだろう。
たとえ……たとえ、敬人さんに対して、私が『推し』としての感情を抱いていようと!

それに、よくよく考えてみれば持ち主が分かるのならば、きっと誰だって届けるだろう。……多分。

届けたくらいで世界が崩壊するなんて事はないだろうし。……よし。

こうなったらもたもたしてはいられない。ちゃちゃっと届けて自分の教室に戻ろう。

そう決意した私は、小走りで音楽室を出て、敬人さんの教室のある三階へ向かった。
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