第1章 プロローグ
no side
キーンコーンカーンコーン、
放課後が始まる合図のチャイムが鳴って、各々部活の準備や帰る準備をしだす
「あ、及川くーんっ!」
「とおるだぁー!」
いつものように隣のクラスから顔を出した彼に女子の黄色い声が上がった
「やっほ〜
いーわちゃんっ部活行こ」
爽やかスマイルを向けて、手をヒラヒラとさせると女子のテンションが上がって、「やばいやばい」と言いながら自分たちも部活へと向かった
「おー、あと少し待ってくれ」
「えー、なになに〜」
珍しく女子と2人で何か話してる岩泉をおもしろがって近づく及川
「委員会の打ち合わせしてたんだよ
てことで、これはもう決定でいいか?」
「うん、いいと思う」
一枚の紙を女子が受け取って、岩泉と話しているときに初めてその子の顔へと視線を移す及川
「、っ、」
「じゃあ、私これ先生に出しとくね!」
「まじ?さんきゅーな菊川」
「うん!及川?くんだよね、お待たせしました」
軽くぺこりとするとストレートの髪がさらりと揺れる
「あ、うん、!ぜんぜん!」
「よかった!じゃあまた明日ね岩泉くん」
「おー、またな」
そう言って自分のカバンを持って教室を出ていく
及川はしばらくその方向を見つめていた
「おい、及川、
おい、クソ川」
「岩ちゃん」
「なんだよ」
「今の子なんて名前?」
「あ?菊川?」
「下の名前は?」
「あ?あー、、たしかだったかな、
それがどうしたんだよ」
「いや、なんでもないよ」
「やっぱお前クソだな、早く行くぞクソ川」
「さっきからクソクソうるさいな
そんなこと言ってると岩ちゃん、クソクソ星人になっちゃうんだからねっ」
そう言い合いしながら、2人も部活のために体育館へと進んでいく