第5章 喧嘩
私の言葉に目を丸く開いて驚いたあと
プッと彼が吹き出す
?「…プックククッハハハッ
はぁー、あんた面白いな。その夢応援してるぜ」
なにがそんなに気に入ったのかは分からないが
彼の中で私は少し心を許せる人になったのだろうか
さっきよりも雰囲気が柔らかく感じる
「…ふふっありがと。
代わりに貴方の入校した理由…聞いてもいい…?」
?「…松田陣平…。」
唐突に言われた名前にへっ?と思わず聞き返すと
少しニヤッと口角上げながらいつもの自信ありげな表情で
?「俺の名前。普通に陣平でいいから。」
そう言われ今の今まで自己紹介せずにやりとりしてたのが
少しおかしいなっと笑いながら
「分かった。私の名前…は郡山
私も名前で良いよ」
郡山は父と同じ。離婚してもお母さんの旧姓にはならなかった。苗字じゃなく名前で呼んで欲しいと思ったのは
彼がこの警察という世界の中で警視監の娘ではなく
ちゃんと1人の人間として見て欲しかったから
松「ね。りょーかい。
…あ。もうあと2時間しか寝れねぇじゃん。
もう戻るな。」
パッと携帯見たら2:30…
あれから1時間経ってたんだと思い早く寝なきゃと
思う気持ちと
せっかく話せたんだから
もう少し仲良くなれたらと思ってしまう気持ちが混ざっていく
そんな気持ちを察してかまたニヤッと笑った陣平くんが
松「…んな、顔してたら野郎に襲われっぞ」
じゃあなと手を振り扉を開けがちゃんと閉まる
ん?襲われる顔とは…?
言われた言葉に理解できないまま夜が明けていく