第1章 HQ:及川徹 告白
そんなこと…知らなかった…
那奈が彼からの相談を受けていたことも
彼が私のことを "好き" でいてくれていることも
『本当に私なんかで…いいんですか?』
私を好きになる理由なんか何もないはず…
だって私には何もないから
「君がいいの。澪ちゃんが。」
「だって君、俺が中二の時部活で忙しくてよく授業中居眠りしてた時、俺の分のノートまで書いててくれたでしょ?」
そんなに前の事…覚えていてくれたんだ…
「字が綺麗でさ…それにしてくれたことに対しても何の驕りを見せない…」
「気づいたら君のこと、目で追ってたよ。」
「この気持ちが好きってことには最近気づいたんだけどね。」
それなら私の今言うべき返事は…もう決まっている。
『及川君…私と付き合ってください!』
「もちろん!…てかそれ俺が言いたかったのに~!」
『私を好きになってくれてありがとう。』
『私重たいかもしれないけど…本当にいいの?』
「じゃなきゃ断ってるよ。」
「てか俺の方がしつこいと思うよ?」
「別れたいって言っても別れてあげない♡」