第1章 HQ:及川徹 告白
『及川君!私…及川君のことが好きです!』
私は告白した。相手は学年1、いやこの学校1モテる及川徹。
結構玉砕覚悟だ。そもそも私のこと知らないかもしれない。
告白した後でこんなこと考えるのってどうなんだろう。
そう考えていたのが顔に出ていたのか
「君のことはちゃんとわかってるよ。告白ありがとう。でも…」
嗚呼…わかっていた、こうなることぐらい。
そもそも私と彼ではつり合うわけがないのだ。
彼はこの学校1モテる上に成績は優秀。おまけにバレー部のキャプテンまでつとめている。
私とは真逆の存在…
きっとこの後の言葉は "ごめん" だろう。
でも彼の返事は私の思いとは違っていた。
「俺の方が多分君のこと好きだったよ。」
『……そうですよね自分なんかじゃ及川君とは……え?』
「だから…!俺の方が君のこと好きっていってるの!」
なんで私なんか?そんなわけない。からかわれているのだこれは…
だって彼が、彼が好きなのは私の…
『那奈が好きなんじゃないんですか?』
「本当に鈍感なんだね…」
どういうことだ…理解ができない。
彼と那奈はいつでも二人で何かの話をしている。
私が那奈に話しかけてもはぐらかされるのできっと彼は彼女と付き合っているのだと思っていた。
私の勘違い?
すると彼はまたもや私の心を見透かしたようにこう言った。
「那奈ちゃんには相談に乗ってもらってただけ!」
「本当に俺が好きなのは君だよ。澪ちゃん」