第17章 とんでもなくアクシデント
「凛ちゃん凛ちゃん凛ちゃーん!!」
「何回も名前を呼ぶなオカッパ。うぜぇ」
「ちょっとオススメしたい練習相手いるんだけど俺とだけじゃ練習つまんないっしょ?」
「?」
ついさっき蟻生くんと時光くんに呼び出されたと思ったら……………
「テメェか……オカッパが言っていた奴って…」
『ひぃぃ』
なんだこの人めちゃくちゃ怖い!!凛って人だっけ??オカッパって誰の事???今チーム組んでいるのってたしか…………あ、蜂楽くんか!!何してくれてんだ蜂楽くん!!何を言ったの!?
「いつまで突っ立てるんだ。時間の無駄だ。兄貴と…糸師冴と同じポジションみたいだな……。テメェを潰すつもりで今からヤる…………」
あの有名な糸師冴の弟!?たしかに同じポジションです…………。あと同じポジションって理由で潰すのはやめてもらえます?
『うわぁぁぁぁ』
恐怖の始まりであった……………
そして何時間か経過して…………
「おい体力ナシ。バテすぎだ」
『うっせえよ…………』
いつの間にか糸師凛に体力ナシって言われてるよ…………仕方ないじゃん!!男女の体力差って奴がね……………
『まだまだやれんぞ………俺…………』
「…………こいよ」
『おう………』
さらに1時間後。
「ぬりぃなもう限界か?」
『るせ、…』
と、言いながら実音はフラフラと立ち上がる。
『つーか、ボール少しは片付けろ………散乱しすぎだ………ジャ……マ……………うわあぁぁ』
「っ……………おい!こっちに倒れてくるんじゃねえ!」
実音はフラついた時に足元にあったボールに躓いてしまう。
「背中いてぇ……………」
『痛くはないけど……………ん????』
あの……………この状況…………どう説明したらいいですか?私ね、そのね、糸師凛を押し倒している状態なんですよね……………。もちろん事故です!!アクシデントです!!わざとじゃない!!てゆーか下まつ毛長いなーよく見ると糸師冴と似てるよね。さすが兄弟。
「………………おい」
『ハイ……………』
「いつまでその体勢でまじまじと見つめてやがる」
実は今この2人顔と顔の距離が15センチほどしかないのだ。つまりかなり近いという事。