• テキストサイズ

私と彼と排球部。*short story*

第16章 *片想い 【菅原孝支】


突然ですがわたしは

どうやら恋に落ちてしまったようだ。

これを世の中では一目惚れというのだろうか。


トスをあげるその姿に、思わず見いってしまった。

菅原君…



偶然通りかかった第二体育館は出入り口が開いていた。

音がするから覗いてみると、そこは男子バレー部の練習場所だった。

そこで見た光景は、とてもキラキラしていて。

“いいなぁ”

単純にそう思った。

運動が苦手なわたしにとっては、とても憧れだった。

だけど、一際輝いて見えたのは、菅原君だった。

菅原君とわたしはクラスが一緒。

だけど、特別話したことはなかった。

普段の彼は暗いというわけではないが結構おとなしい。

だから、彼のあんな姿はとても新鮮だった。


なんだかいきいきとしていて、別人のように感じた。



ふと足元を見るとボールが1つ転がってきていた。

出入り口付近に転がしておこうかな…と思ったら、菅原君が走ってきた。


「ごめん!ボール取ってくんない?」

は、話しかけられたぁぁぁ!!!

意識してしまっているから、うまく返事ができない。

ダメだ菅原君に変な子だと思われちゃう!!

「あ、うん。どうぞ…」

菅原君を直視できなくて、うつむいて渡してしまった。

うわぁ…感じ悪かったな。

そんなわたしに

「あれ、綾瀬さん?確か同じクラスだったよね。こんな所でどうしたの?」

優しく声をかけてくれた。
しかも名前、覚えててくれたんだ。

そんな小さなことできゅんとくる

「偶然通りかかったんだ。菅原君ってバレー部だったんだね!!わたし運動できないから憧れちゃうよ」


「そっか。よかったら練習見学していく?」

思いがけない言葉が飛んできた。

「でもわたし部外者だし…」

「そんなこと気にしないでいいよ。女子が見に来ると田中や西谷あたりが喜ぶ(笑)」


そう言ってくれる菅原君の言葉に甘えることにした。


もっと菅原君がプレーする姿を近くで見たいと思った。




不純な動機でごめんね菅原君。
/ 70ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp