第15章 *お泊まり 【夜久衛輔】
それから私はお風呂に入った。
なんだか、今日一日いろんなことがあったな…。
うぅっ…思い出しただけで恥ずかしい…ッ!!
私は顔に熱が集まるのを感じながら、嬉しさに浸っていた。
お風呂からあがると、脱衣所には着替えが置いてあった。
夜久くんのジャージ。
そっと抱きしめてみると、夜久くんのにおいがした。
なんだか、夜久くんを抱きしめているみたいで、また胸が高鳴る。
震える手で、そっと腕を通す。
高身長ばかりのバレー部では、あんなに小さく見えるのに
ジャージは思いのほかぶかぶかで
男の子なんだなぁ…って感じさせられる。
ずるいよ。夜久くん。
私ばっかりドキドキさせられる。
夜久くんも、こんな風にドキドキしてくれてたらいいな。
心臓が鳴りやまないままリビングのドアを開ける。
「お、上がったか。ってまだ髪濡れてんぞ!!ほら、こっちこい」
そう言って自分の太ももを叩く。
こ、これは…股の間に入れということでしょうか…
「?なにボケっとつったってんだ。早くしないと風邪引くぞ」
やっぱり、君にはかなわないな。
私は彼の足の間に座った。
「ん、シャンプー。俺と同じ匂い。まあ当たり前のことだけどな。でも…そんな些細なことが嬉しいって思っちまうんだ。」
私はまた、胸が飛び跳ねた。
あなたはどれだけ私を虜にすれば気が済むんですか…?
わしゃわしゃと私の髪の毛は乾かされていく。
その手つきが、なんだか安心する。
思えば、こんな風に誰かに髪を乾かしてもらうなんて、いつぶりだろうか。
「さて、だいぶ髪も乾いたし、そろそろ寝るか。優希はベッド使っていいから。」
「えぇっ!?そんな、悪いよ!!私は床で寝るから夜久くんがベッドで…」
「ばーか。何言ってんだ。女の子を床で寝せれるわけねえだろーが。とにかく、お前はベッドで寝ること。これ命令な。」
こんな些細な気遣いが…とても愛おしい
「じゃぁ、一緒に寝よ?」
「はぁ!?何でそうなった」
「だって!譲り合いするぐらいなら、一緒にベッドで寝た方が、一番お互いのためになるってゆうか…」
「あーもう、わかったよ。そのかわり…
どうなっても知らないから。」