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私と彼と排球部。*short story*

第15章 *お泊まり 【夜久衛輔】


雨。


今日は夜久くんとのデートだったのに…。


楽しみにしてたのになぁ…

残念がっていると、そこに一通のメールが届いた。

夜久くんからだ。

“雨だからもし良ければ俺ん家にこい。”

さっきは雨を恨んだけれど


これはこれでいいかな?


私はウキウキしながら支度をした。





時は過ぎ

ー夜久家ー

うぅー緊張する…

玄関の前まで来ているものの、インターホンを押す勇気が出ない。

押すのなんて一瞬じゃん!!別に躊躇う必要なんか…

そう自分に言い聞かせてみるものの、手の震えは止まらない。


どうしようどうしようどうしよう

一人でパニクっていると、夜久くんがドアを開けてくれた。

「やっぱりお前か。物音がしたから開けてみたけど…インターホン押せばいいのに。」

そう言って家にあげてくれた。

「お、お邪魔します…」

「おう、いらっしゃい。」


彼の家に来るのは初めてじゃないけれど、恋人として来るのは初めてだ。


関係が変わっただけでこんなに緊張するものなのか…


部屋に入れてもらってからも私はそわそわしていた。


ここが、いつも夜久くんが使っている部屋…。

ほのかに夜久くんの香りがして、ドキドキする。


私ってば意識しすぎだよ…!!

夜久くんに怪しまれないように平静を装う。

うわぁぁぁ私ってば本当に変態じゃん!!

「おまたせー」

そこへ夜久くんがジュースを持ってやってきた。

「これから何する?っつってもうちは特に面白いもの無いし…あ、映画でも見るか?ちょうど何本か借りて来てるんだけど…」

夜久くんは普通に接する。

やっぱ変に意識してるのは私だけか…。

内心がっかりしつつ、映画を選ぶ。

「あ、これ!!夜久くんもこんなの見るんだー」

そこには私が前から見たかった恋愛映画があった。

「あー、それはまとめて借りると安くなるってやつで、特に見たいの無かったからその場にあったやつ適当に借りてきた。」

なるほど、謎が解けた。







(優希のためにわざわざ借りたとか言えねぇ…!!)
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