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私と彼と排球部。*short story*

第14章 不器用な優しさ 【岩泉一】


「あー、もう!行くぞ優希」

照れたように私の手を引っ張った。



「ッ…!!い、岩ちゃんっ!?」



「ば、バカ!!これは迷子にならないためだ!!お前方向音痴だからはぐれたらめんどくせぇんだよ…!!」


その言葉に涙が溢れた。



面倒臭い……か。





わかってる。これが岩ちゃんの本心じゃないって。



わかってる。こんなのただの照れ隠しだって。



なのに、なのに。





どうして涙が溢れるの…?



急に立ち止まった私を不審に思い、岩ちゃんが振り返る。

「おい優希…?ッ…!!!お前、なんで泣いて…!?!?!?」

岩ちゃんは困惑しているようだ。


そして、優しく私を抱き締めた。



「岩ちゃん…?」


「…ったく泣くなよ。折角の可愛い顔が台無しだぜ?俺は、お前の笑った顔が見たい。」


どうやら今日の彼は、いつにもまして甘い言葉を捧げてくれるようです。


「だって、岩ちゃんが面倒臭いって言うから…」

「…!?!?そ、それはその、照れ隠しっつーか、心配って意味で…」









「だー!!もう!!だから俺は、
お前のことが好きなんだよ!!!」


その言葉を聞いてもう一度涙が溢れる。

「お、おい…そんなに嫌だったか…?」

「違うの!!その、嬉しくて…」


「私も岩ちゃん…ううん、一が好き。」

そう言って私も抱き締め返した。


その頃及川達は…

及「あれ、岩ちゃんと優希ちゃんじゃん。」

国「あ、抱き合ってる。面白いから撮っとこー」(カシャッ

花「お、その写真俺らにも回せよ」

国「了解です。」


こんな会話をされているとは知らない岩泉達であった。


*不器用な優しさ*
君の分かりにくい優しさに
私は今日も恋をする。
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