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私と彼と排球部。*short story*

第11章 *迎えに行くから 【黒尾鉄朗】


離れている間、他に好きな子でもできたのかな?


頭によぎるのはいつもマイナスなことばかり。


「ううん。クロはそんなこと絶対しないもん!!」


そうやって自分に言い聞かせてみるものの、やはり不安なのだ。



自然と目頭が熱くなる。

次の瞬間には、温かいものが頬を伝っていた。




ピリリリリ…

電話がなる。



相手を確認せずに出る。

「…もしもし?」

「もしもーし。突然だけど、窓開けてくれる?」


その声はクロのものだった。


どういうことか分からなかったが、慌てて窓を開けてみる。

窓の外を覗くとそこには






「っ…!!クロ!!」




いるはずのないクロが立ってたんだ。




「やっほー優希ちゃん。久しぶりー」



咄嗟に階段を駆け下り、勢いよく玄関を開ける。


「そんなに慌ててこなくてもよかったのに…(笑)」

そんな風に苦笑いするクロに抱きつく。

「おー、会わないうちに随分大胆になったねー」

そう言って私の頭を撫でる。

「うぅ…クロ…」

クロの匂いに安心する。


「あはっ、まったく優希ちゃんは甘えん坊ですねー」

「だって、ずっと…こうしたかったんだもん」


「だろー?優希ちゃんが寂しがってるかなーなんて思って、会いにきた。」


その言葉にちょっと寂しくなる。


クロは寂しくなかったのかな?

なんて思っていると

「なんて、それもホントだけど、俺が寂しすぎて死にそうだったから会いに来たんだけど」


そう言って私を抱きしめ返す。

「優希ちゃん、全然会いたいとか寂しいとか言ってくれないから…俺だけこんな気持ちなのかなって、ちょっと悲しかったんだよ?」



「でも、今日の反応が見れて安心した。」

クロの抱きしめる力が強くなる。


「なぁ、もう少しだけ待っててくれねぇか?俺が卒業したら、お前を迎えに行くから。」

その言葉に疑問符が付く

「あれ、もしかして意味わかってない?」

恐る恐る頷く

「えー、これ俺なりのプロポーズだったんだけどなぁ…」


「えっ…!?!?」






「優希さん。俺と結婚してください。」




そんなの、答えは決まってる。





*迎えに行くから*
遠まわしなキミのプロポーズ
その言葉に胸が躍るんだ
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