第1章 お前さえ居なければ
you…『』
今日も―――。
「お前なんか…お前なんかが…居なければ…!!!!」
「由香子はまだ元気に生きていた!!!!!!!!!」
「とっとと消えろ糞野郎!!!!!」
『ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい』
―私が全部悪いから。お願い、これ以上暴言を吐かないで――。
父親…水瀬慶吾は元々気の荒い人だったけれど
暴言を吐く回数も、物に当たる回数も今とは段違いに少なかった
なのに…私が5歳のとき一変した
毎日のように暴言を吐き、自分の思い通りにことが進まないだけで気が狂ったかのように暴れ始める。
機嫌がとても悪ければ暴力も振るう。
父親がこんなふうになったのは
10年前の8月12日
母が私を庇って死んだ日―――。
だから今私が父親に罵声を浴びせられ、
暴力を振るわれているのは
全て――私のせい―――。