第1章 ムカつくアイツ。
カーテンの隙間から漏れる陽の光に目を細める。
『ーーーーうっわ、、、もう朝、、?』
ガサガサと枕元を探り、携帯を手に取り時間を確認した。
・・・完全に遅刻じゃん。
今月これで何回目だっけ?
そろそろ夜蛾の雷が落ちんなー。。
説教ならいくらでも受けるけど、鉄槌だけは避けたい…。
はぁ、、、腰重いし身体だる。。。
のそのそとベッドから降り、キャミソールと短パンの姿のまま携帯を片手に洗面所へと向かう。
歯を磨きながら携帯を確認すると、
『・・・あ。』
硝子、モーニングコールしてくれたんだ。
1時間前に2件の不在着信が残っていた。
硝子のやつ、出なかったら起こしに来てくれれば良いのにー。
他にはメールが1件。
"ちゃんとさっき別れたばっかなのにもう会いたいよ♡
相性良すぎてマジはまりそー♡
俺の跡、消える前にまた会える?
連絡待ってるよ"
『・・・は?俺の跡、、?』
目を疑う一文に、一気に不快感が込み上げた。
まさか、、、、⁈
目の前の鏡で自分の姿を確認する。
『っ⁉︎ーーーー最っ悪‼︎』
よく見ると、首や鎖骨の下にキスマークが付いていた。
見えるだけでも2つ、きっとまだ他にもつけられてるに違いない。
やられたーーーー。
昨日はかなり酔ってたからあんまり記憶がない。
付き合ってまだ1週間だけど、キスマークを付けて束縛するような男は大嫌いだ。
ポチポチと携帯を操作し、メールの相手をブロックした。
『はい、サヨナラ〜』