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999本の薔薇〈進撃の巨人〉

第8章 Rose



 ローズの髪を指で梳き、目元にキスをする。


「愛してるわ、リヴァイ」

「あぁ、俺も。誰よりも、愛してる。ローズ」


 けほっ、とローズは咳き込む。
 震えが緩やかに消えていく。
 ローズはぎゅっとリヴァイの手を握りしめた。


「ねぇ、リヴァイ」

「なんだ」

「薔薇の花言葉って、しってる?」

「当たり前だろ」


 どれだけお前に教えられたと思ってやがる。

 わざとふてぶてしく答えると、ローズはクスクスと肩を揺らして笑った。
 ローズはよく、リヴァイに花の種類や花言葉について教えていた。どんな知識でもあればきっと役に立つから。


「1本の薔薇は“一目惚れ”」

「うん」

「10本の薔薇は“あなたは全てが完璧”」

「えぇ、」

「50本の薔薇は“恒久”」

「……すごいわ」

「108本の薔薇は“結婚してください”」

「──よろこんで」




 そして、999本の薔薇は




「ローズ?」


 ローズは眠っていた。どこまでも、穏やかな寝顔だった。



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