第2章 誤解から生まれた激情
どうしてこうなったのか、意味が分からなくて、頭が働かずに体が動かない。
拘束されて頭の上に上げた体勢で、妙にゆっくりとボタンが外される。
唇は独歩の唇で塞がれ、熱い舌がねっとりゆっくり口内を動き回る度、体がゾクゾクとして頭が痺れた。
こんな風に自由を奪われ、好き勝手にされるのは嫌なはずなのに、独歩に触れられる事に何処かで喜んでいる自分がいる。
けど、こんなのは、間違ってる。
「独歩っ、これ、外してっ……」
「外すわけないだろ……今更抵抗してもやめないんだし、お前はただ感じてればいい……」
駄目だ。独歩が普段の彼じゃない。
一体どうなってるんだろう。
「何でっ、こんなっ……」
今の彼には、何を聞いても答えてはくれなかった。
ただ、物凄い力で押さえられてしまって、抵抗なんて出来なくて、私は何をする事も許されない。
私に許されるのは、与えられる快楽に喘ぐ事だけだった。
下着だけにされ、独歩は私を跨ぎながら、何処かうっとりした顔で私を眺めている。
「ほんとに何処も全部綺麗だな……俺とは正反対で……眩しいよ……」
「恥ずかしいっ、から……あんまり見ないでっ……」
「恥ずかしがるお前を見れるのも……貴重だな……」
嬉しそうな顔でふわりと笑い、その場違いな笑顔にこんな時だと言うのに、ドキッとしてしまう。
指がゆっくり肌を滑る。
くすぐったいような、それとは何か違うような、不思議な感覚が体を走っていく。
「はぁ……すげぇいい匂いすんな……香水……じゃ、ないよな……」
「ゃっ……嗅がない、でっ……んっ……」
首筋に顔を埋めて、嗅がれながら身を捩るとクスリと笑う声が聞こえる。
そのまま耳を舐め上げ、咥え、吐息すら痺れを起こす。
「耳……弱いのか?」
「喋らなっ……ぁ、んンっ……」
「エロい声……出てんぞ……はぁ……」
耳を攻めていた唇が、ゆっくり下へ降りていく。
首筋、鎖骨、胸元。胸を避けてそのまま下へ。腰におへそにとどんどん下へ降りていく。
ただ口付けられているだけなのに、何でこんなにも熱くなるのか。
体の奥からジクジクと疼き、無意識に脚を擦り合わせる。
「敏感なんだな……まだほとんど何もしてないぞ……ん……」
突然ブラが外された。