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記憶が亡くなる前に

第10章 やってきたチャンス


呼んでいたのはピンク髪の青年。コビー大佐だった。

「あ…えっと、コビー大佐。」

「大佐なんてやめてくださいよ。
聞きましたよ?また断ったんですよね?
将校の話を。」

「え…。えっといつの話で?」

コビー大佐はキョトンとした。
その話は昨日一昨日の近い話だったから。
その表情を見て私はハッとして話を合わせた。

日記を開いて見返す。


⚫月△日
少佐になる話をこれで6回目くらい、持ちかけられた。
私は何度も言っているけどドフラミンゴを討つためだけに海軍をやっている。
イッショウさんやセンゴクさんみたいな海兵には憧れるけれど。私はそこまで立派になれない…。
短期記憶も危うい私がそんな大した立場になってはいけないんだ。


日記には確かにそう書かれていた。

「ほんとだ…」

「…またですか?」

コビー大佐は私を見つめる。まっすぐな目で見つめてくる。
ここ毎日…眠ると1つ、またひとつと記憶が無くなっているような気がする。
最近分かったことは感情が大きく揺れると頭痛がして少ししたら治っていく。
でもその時、ふと感情が記憶が抜けている気がしてる。

と日記には書いてあった。

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